鉄ってそもそも何?鉄の作り方と性質を簡単に解説

食器、調理器具、ドアの鍵、筆記用具、アクセサリー、自転車、車、建物…。周りを見渡せば必ずと言っていいほど、鉄が使われている物がひとつは目に入ります。

鉄は熱伝導や伝道性が高く、さらに比較的安く手軽に手に入る金属なので、様々な金属製品に使われています。もちろん岡田製作所でもメインで扱っている金属です。

今回はそんなごくごく身近にありふれている金属、「鉄」について簡単に解説します。専門的な難しい用語はなるべく使わず、出来るだけわかりやすい説明にしていきたいと思いますm(__)m

鉄が出来上がるまで

鉄の原料は、鉄鉱石という状態で自然界に存在しています。鉄鉱石は鉄が錆まくった状態のものと思ってください。鉱山などから鉄鉱石を採掘して、これを元に鉄を精製していきます。

ここから鉄になっていく工程を順番に解説していきます。

製鉄

採掘した鉄鉱石を製鉄所に運び込み、「溶鉱炉(ようこうろ)」という設備に入れます。そして1,000℃以上の高温で鉄鉱石をドロドロに溶かして、鉄の元になる「銑鉄(せんてつ)」とそれ以外のものに分離させます。
銑鉄は重いので溶鉱炉の下のほうに溜まり、それ以外の不純物は上に浮かび上がります。
そうして溶鉱炉の溜まった鉄分を取り出して、次に「転炉(てんろ)」という設備に運び込みます。

製鋼

銑鉄は炭素をたくさん含んでいて、このままではもろい金属になってしまいます。
転炉では銑鉄に生石灰と酸素を吹き込んで、銑鉄に含まれる炭素などを取り除くことによって、強い「鋼(はがね)」に生まれ変わります。
ここで鉄に対する炭素の含有量を調整することによって、鉄の性質を微妙に変化させることができます。詳しくは後ほど。

圧延

まだ熱くてドロドロの状態の鋼を、型に流しこんで冷やして、加工しやすい形にします。
その後「圧延(あつえん)」という加工を行い、板状、パイプ状、線状などの製品となります。

こうやって出来上がった製鋼を仕入れて、うちも含めて多くの金属加工屋さんは、プレスや旋盤などを施して製品を作っています。

鉄の種類

鉄がもつ炭素の含有量(炭素量)によって鉄の性質が決まり、炭素量によって鉄の呼び方が変わります。
単純に炭素量が少ないと柔らかい、炭素量が多いと硬い、と鉄の性質が変わると思ってください。

以下では鉄の炭素量での違いをざっくり3つに分けて解説します。

純鉄

鉄の炭素量が0~0.2%程度の鉄は「純鉄(じゅんてつ)」と呼ばれています。
純鉄は炭素量が少なすぎて、めちゃくちゃ柔らかくて弱い鉄です。しかも錆びやすくてすぐに脆くなってしまうので、実用性はかなり低く、一般的にはほぼ見かけることはない鉄です。
いわゆる鉄って感じのグレー色ではなく、白っぽい色をしています。

鉄の炭素量が純鉄よりも多く、2%程度の鉄を鋼とよびます。最初に挙げた身の回りで使われている一般的な鉄は、ほとんどがこの鋼です。
同じ鋼でも炭素量の違いなどによって、さらに「軟鋼(なんこう)」や「(硬鋼(こうこう)」などと呼ばれています。さらに合金元素というものを加えると「合金鋼(ごうきんこう)」となります。ステンレスは身近な合金鋼のひとつですね。

鋳鉄

さらに炭素量が多い(6%程度)鉄を「鋳鉄(いてつ)」と呼びます。鋳鉄は高熱でドロドロに溶かして、「鋳型(いがた)」に流しこむ「鋳造(ちゅうぞう)」という加工方法に使われています。
マンホールなどはこの鋳鉄が使われていて、細かく複雑な模様を施している製品を作るときに向いています。

ちなみに炭素量が鋳鉄以上になると、銑鉄と同じく脆い鉄となってしまうため、金属製品としては使い物になりません(^_^;)

鉄の豆知識

子どものころ登り棒や鉄棒で遊んだ後、手が「鉄臭く」なった思い出は誰でもあると思います。この鉄の匂いというのは、実は鉄そのものの匂いではないです。
鉄を触ったときに、手に付いている皮脂や汗が鉄と化学反応を起こして、あの独特の匂いが発生しているのです。実際人があまり触れていない鉄製品の匂いを嗅いでみると、鉄の匂いはしません。

まとめ

今回は鉄の作り方と性質、種類についてざっくりと解説しました!
化学的な話が入ると、カタカナやアルファベットで小難しい単語が並んでしまってしまうので、本当に簡単に解説しました(^_^;)
いずれもう少し掘り下げて専門的な部分にも触れていきたいと思います。

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